ニート系ドラクエ10

親が80歳、ニートが50歳で行き詰まった状態を、8050問題と言うそうだ。

台風ヤバかったですね

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父が会社を退職した。

高齢のためだ。

ぼくのニート暮らしも限界が近い。

それは死の宣告のようなもので、この先、およそ十年後、ぼくは首を吊って死ねるように精神を高めていく。

 

 

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極端だなあ……

働けばいいじゃないか。

ホントにキミは、怠け者なんだから。

 

 

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働いたこともあるんだけどさ、全部うまくいかないんだ。

死のうとしたこともあるんだけどさ、いざ死のうとすると、怖ろしいものだよ。

それは、理屈じゃないんだ。

どちらも難しいけれど、働くか、さもなくば死だ。

選ぶ道はひとつしかない。

 

 

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それは分かったけれど

じゃあ、どうして死ぬのは今じゃなくて十年後なの?

またいい加減なことばかり言ってるんでしょ!

 

 

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働かざる者、食うべからず。

ならば食わざる者は、働くことから自由だ。

食わざる者になるには修行しかない。

なぜ侍は自刃ができるんだ。どういう精神なんだよ、マジで。

 

いざ縄の輪に首を通してみると、とても寂しい。

孤高のソロプレイヤーであるはずのぼくが、寂しいと感じるんだ。

別れの寂しさなんだ。この世界との別れ、最終回なんだよ。

 

もっと修行を積まないと、未熟さから死にひるんでしまう。

 

 

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昔、周の武王が殷の紂王を討ったときのことでござる。

殷にとって周は逆臣でござる。

殷の忠臣は、たとえ死んでも逆臣には仕えぬと言って、周への仕官を拒み、しばらく山で野草などを採って暮らしたそうでござるが、とうとう餓死いたした。不食周粟という故事でござる。

忠義のための死は誇りでござるが、働かないための死というものは古今東西聞いたことがござらぬ。

 

 

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ほら! 弟者も言ってるよ! 難しくてよくわからないけれど。

恥助くんの怠け者! 万年寝太郎!

十年後だって、どうせ死なないよ。また屁理屈をこねてるんだ。

 

 

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うるさい! うるさあい!!

ぼくは怠け者じゃないよ!

まんルシアの怠け心でぼくを理解しようとするから、怠け者に見えるだけだ。

ぼくは、他の何にかえても働きたくないんだ。

最終的には命と引きかえることになる。

それもいとわないよ!

怠け者じゃない! 真に働かない者だ! 働く能力のない者なんだ!

 

 

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じゃあ早く死んじゃえ!

 

 

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そのために悟りを開くんだよ!

 

 

恥助はそれなりに追い詰められていた

ああ、おれは、人とうまくやれない。

家族とすら!

 

彼の考えるところでは、もはや首を吊るより他に道はないのである。

しかしながら意志薄弱の恥助は死ぬ死ぬと口先で繰り返しながらも、いざ実行する段になると臆病が生じてきて、やはり未練がある、まだ死にきれないなどと思い直し、決意をたやすく翻すのだった。

彼の未練とはすなわち、己を苦しめた世の中に対してどうにか一矢報いることである。

だがその方法もなく、ひたすらに世界の終わりを、たとえばミサイルの着弾を待っているばかりなのである。

そんな折、恥助は台風に出くわすのだった。

 

 

普通に木が倒れている

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いや、ちょっと、これは……

だが恥助は無事だった。

あるいは待ち望んだ終末に、あっけなく裏切られたのかもしれなかった。

草むらに踏み入れば足元でバッタが跳ねて逃げるし、近くには猫を撫でている小学生がいる。

世界はまだ続いているのである。

そしてまた恥助は願うのだった。大魔王さま、はやく、はやくお越しください!

 

 

冥王とは あまねく 死を統べる者

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生きと死し生ける者が 死から逃れられぬように

もはや恥助は冥王の虜なのである。

ただもう死にたい一心で、そればかり祈っているのである。

しかし台風を前にしてみると、次のように考えるのだった。

 

ぐはあ、ちょっともう、台風ヤバかったですね。

いや、ほんと、マジで。

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